愚鈍人のブログ - シノタマワク - 儒教と論語と孔子様についてのうんちく
最近、子供に学ばせるたの論語の本が売れている事が話題になっている。
「論語」が静かな「ブーム」 児童向け書籍珍しいヒット - J-CASTニュース
もっとも、書店に勤めている知人の話によるともう一年前から論語の本がブームになっているとの事である。
私は論語というとあまり良いイメージを持っていない。
というのは、以前にも書いたとおり、私は古代中国の歴史の本が好きなのだが、私の呼んだ本ではあまり儒教は評判が良くない。(代表的なのが、「安能 務」さんの「春秋戦国史」。)
春秋の筆法という言葉があるが、これって史実を自分の望む方向に捻じ曲げて解釈しているという批判もある。
漢の高祖「劉邦」も儒教を嫌っていてよく「腐れ儒者」という言葉が出てくる。
また、始皇帝も儒者を嫌っていて有名な「焚書坑儒」を行っている。
周公旦の時代に帰れと言っているんじゃ、当時の権力者から嫌われてもしょうがないか。
昔は儒教とあの墨攻の平和主義の墨家が人気を競い合っていたらしい。
皮肉な事に劉邦の子孫の武帝が漢の国教にとりあげたおかげでその後メジャーになってしまった。
儒教というと、朱子学のもととなり封建制度を支えた思想で偽善者的なイメージが強い。
とは言え、我が日本国の葉隠れ,武士道の思想の基となった思想であるので悪口もここまでにしておく。
孔子様もあっちこっちに就職活動のために放浪して苦労されたんだし。
という事でブームにおされて私も最近、節操も無く論語の本を読んだりしている。
まあ、読んでみると論語もなかなか悪くは無い。
だいたい漢詩とか漢文の朗読を聴いていると高尚になったような気分になって気持ちがいい。
という事で今日のうんちく。
子曰く、学びて時にこれを習う、また説(よろこ)ばしからずや、
朋(とも)あり遠方より来たる、また楽しからずや、
人知らずして慍(うら)みず、また君子ならずや。
論語の第一編である「学而編」に出てくる教えだそうである。
意味としては
勉強して知識を身に付ける事は楽しいことだ。遠くからやって来た友達と学んだ知識について語り合う事は一人で勉強しているよりもさらに楽しい事だ。
有名になろうとして勉強をしているのでは無いので名声があがらないとしても不満に思わない。これが立派な人間というものだ。
という事らしい。
なかなか奥深いクールな言葉だ。
現代にまでも語りつがれた珠玉の言葉として2500年前に既に語られていたわけである。
まさに古代中国恐るべし
もっとも、私のような煩悩の塊のような愚凡人にとってはこの境地に達するのは難しい。
このWebサイトのアクセス数の増減に一喜一憂しているようではまず無理である。
ところで同じ諸子百家の仲間なのに、儒教は儒者とは言うが,道教を道者と呼んだり墨家を墨者と呼んだりしないのは何故だろう?